2018/03/14

オリオン座が見えている限りは冬だ

 

バイトからの帰り道、少し遠回りをしてお寺と神社の間を抜けるのが最近のルートだ、というのは嘘で、ただ単におりたいバス停で降り損ねまくっているだけだ。お寺と神社の間に道があるのは本当で、その道の入り口には、人が二、三人手を繋いで幹を一周できるくらい大きな木がある。それを見上げつつ、寺と神社の間を抜ける。

今夜は星がよく見えて、大木を通り過ぎてからも頭上を見上げながら歩いた。星のことには詳しくないけど、冬の大三角形とオリオン座、北斗七星はわかるのでその3つの星座のことを思いながら歩く。小さな頃、星座の図鑑をもっていた。あいにくあまり気に入ってはいなかった。その理由を考えると、宇宙のことは果てしなく遠くて実体がつかめないもののように感じ、なんだか恐ろしかったから。それに、今見えている星の光はもう何年も前に消失した星の輝きであることもあって、光が地球に届くまでに時間がかかって今見えている、という話も怖かった。どれだけ遠いんだ、怖すぎる。北斗七星が柄杓の形をせっかくつくっているのに、地球から見える星同士の位置関係は将来的には少しずつずれて、北斗七星はいつか柄杓の形ではなくなるという話も悲しくて怖くて嫌だった。無常すぎる。悲しすぎる。怖すぎる。恐ろしい。畏怖すぎる。

そんなことを考えながら初春の夜道を歩いた今夜、冬の星座が出ている限りはまだ冬だ。